ChatGPTじゃ足りなかった理由 − 性格×関係性×シーンに特化したコミュ術LABを作った話 −
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はじめに:ChatGPTで聞けるのに、なぜ自分で作ったか
結論からお伝えします。 「ChatGPTに毎回プロンプトを書くのが面倒だったから」、僕は『16タイプ別コミュ術LAB』を自分で作りました。
きっかけは、自分が16Personalitiesを受けて「ISTJ-T」と出たときの素朴な戸惑いでした。
数十名規模のチームを率いる現役管理職として、相手は毎日変わります。上司・部下・同僚・取引先・家族…。「相手の16タイプ」「自分との関係性」「今日のシチュエーション」を毎回ChatGPTに説明し直すのは、率直に言って続きません。
この記事では、ナギシフト公式の無料ツール 『16タイプ別コミュ術LAB』 を作った理由・設計思想・実用シーンを、開発者目線で正直にお話しします。
なお、LABには CSV人物リスト機能 があり、一度登録すれば「あの人のタイプ何だったっけ?」と毎回思い出す必要はありません(詳しくは7章で解説します)。
実物を先に触ってみたい方はこちら → 16タイプ別コミュ術LAB
1. なぜChatGPTだけでは不十分だったか
最初に正直なところを書きます。 ChatGPTは万能だけど、毎日のコミュニケーションには「重すぎる」 というのが半年使ってみた結論でした。
1-1. 毎回プロンプトを書く面倒さ(再現性の壁)
「相手はENTPで、自分はINTJ、関係性は同僚、シチュエーションはタスク依頼、目的はスピード重視で…」と毎回打ち込むのは、想像以上にしんどい。 数回ならいいですが、 毎日の1on1や業務依頼で繰り返すのは現実的ではありません。
1-2. 同じ「INTJ部下」でも、上司が誰かで言い回しは別
ここが見落とされがちなポイント。 同じINTJの部下でも、ESFJの上司から伝えるのと、INTJの上司から伝えるのとでは、刺さる言い回しが違います。 ChatGPTは聞けば答えてくれるけれど、 「自分タイプ × 相手タイプ」の組み合わせを毎回伝える 手間が発生します。
1-3. 既存の相性診断サイトは「相性◯%」止まり
世の中の相性診断サイトの多くは、「あなたとあの人の相性は78%です」までで終わってしまう。 僕が欲しかったのは、 「で、明日の1on1で何て言えばいい?」 という実用一歩手前の答えでした。
1-4. 16Personalities公式は読みにくい
16Personalities公式のRelationshipsページは情報量が豊富ですが、英語翻訳調で読みづらく、職場で「明日使う」用途には向きません。
2. LABの設計思想3つ
ツールを作るにあたって、譲れない設計思想を3つ決めました。
2-1. 「その場で使える具体性」を最優先
抽象的なアドバイスは要らない。 コピペで明日使える一言テンプレ を最優先で出力する。 「相手の自尊心を尊重しましょう」ではなく、「『君の判断軸を聞かせてほしい』と切り出す」レベルの具体性です。
2-2. 「決めつけ防止」のガードレール
性格診断の最大の落とし穴は 「タイプの決めつけ」 。 LABは出力のあちこちに「タイプは仮説」「本人に確認を」というガードレールを埋め込み、 誤用を構造的に防ぐ 設計にしました。
2-3. 「AIとの併用」を前提に作る
LABはChatGPTを置き換えるものではありません。 即答が欲しい時はLAB、深掘りしたい時はAI。 「AI深掘りプロンプト」もセットで生成 することで、両方の良いとこ取りを目指しました。
3. 7軸入力の意味
LABの中心にあるのは 「7軸入力」 という設計です。多すぎず、少なすぎず、ちょうど7つに絞り込みました。
3-1. 7つの軸とその役割
| 軸 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 自分タイプ | 出し手の認知の癖を反映 | INTJ |
| 相手タイプ | 受け手の認知の癖を反映 | ESFP |
| 関係性 | 言い回しのフォーマル度を決定 | 上司/部下/同僚/家族 |
| シチュエーション | 場の文脈を決定 | 1on1/業務依頼/会話修復 |
| 目的 | アウトプットの方向を決定 | 育成/スピード/関係修復 |
| 強度 | 表現の強弱を決定 | やんわり/普通/はっきり |
| 温度 | 関係の現状を反映 | 良好/普通/悪化 |
3-2. なぜ7軸なのか
最初は3軸(自分・相手・目的)で試作しました。しかし「同じ依頼でも上司と部下では違う」「関係が悪化中なら言い回しを変えたい」という現場の声で軸を足していき、結果7軸に落ち着きました。
- 少なすぎ(3〜4軸):出力が雑になり「結局どう言えば?」が残る
- 多すぎ(10軸以上):入力が面倒になり離脱する
- 7軸:30秒で入力でき、出力の精度も保てる絶妙なライン
3-3. 関係性カテゴリで連動フィルタ
地味に効いているのが 「関係性で選択肢が連動する仕組み」 。 「上司」を選んだら、シチュエーションには「1on1」「業務依頼」「フィードバック」だけが出る。「家族」を選んだら「会話修復」「相談」「日常会話」が出る。 無関係な選択肢を見せないことで、入力ストレスを減らしました。
4. 一言テンプレが「コピペで使える」理由
ここがLABの心臓部です。 「7軸の組み合わせから、コピペで使える一言テンプレを動的に組み立てる」 仕組みを解説します。
4-1. 静的データ × 動的合成のハイブリッド
全パターンを手書きで用意するのは現実的ではありません(数十万通り)。 かといって全自動生成だと品質が安定しない。 そこで、 タイプ別の「核となる素材」を静的データで持ち、関係性・目的・温度で組み立てる ハイブリッド方式を採用しました。
4-2. 気質グループ(NT/NF/ST/SF)で粒度を揃える
16タイプを個別に書き分けるのではなく、まず 4気質グループ に整理。 そのうえで、目的(育成/スピード/関係修復)と温度(良好/普通/悪化)で文章を組み立てます。 これで「全パターン手書き」を回避しつつ、出力の質を担保しました。
4-3. 全パターン手書きじゃないからメンテ可能
ハイブリッド方式の最大のメリットは メンテナンス性 。 「目的」に新しい選択肢を追加したい時も、4気質分のテンプレ素材を足すだけで全タイプ対応できます。 将来の拡張余地 を残すための設計です。
4-4. ナギ的お気に入りポイント
正直に言うと、開発を経て一番気に入っているのは 「関係性とシチュエーションに応じて出力が変わる」 ところです。
同じ「INTJ → ESFP」の組み合わせでも、「上司から部下への業務依頼」と「夫婦間の会話修復」とでは、出力される一言テンプレがガラッと変わります。 この「文脈に応じた変化」こそが、ChatGPTに毎回プロンプトを書く手間の代替になっている と感じています。
ナギ
5. AI深掘りプロンプトとの使い分け
LABはChatGPTを置き換えるツールではありません。 「即答」と「深掘り」の役割分担 が大事です。
5-1. LABが向いている場面
- 1on1の直前、5分で言い回しを準備したい
- 業務依頼のメッセージを書く前に、切り出し方を決めたい
- 会議中、相手のタイプを思い出して即対応したい
→ 30秒で入力、即出力 が欲しい時。
5-2. AI深掘りプロンプトが向いている場面
- 部下が長期的な悩みを相談してきて、文脈ごと整理したい
- 取引先との関係修復に、長いメールを書く必要がある
- チーム編成全体の最適化を検討したい
→ 文脈・事情を伝えて、長めの提案 が欲しい時。
5-3. 両方使うのが正解
LABの出力画面には、 そのまま深掘り用のChatGPTプロンプトをコピーできるボタン を用意しました。 即答が欲しい時はLABの一言テンプレ、もう一段踏み込みたい時はそのままAIへ。 両方使うのが、結局いちばんラクで早い という結論です。
6. 実際の使い方(実例3シーン)
抽象的な話だけだと伝わらないので、僕が実際に使っている 3つのシーン を紹介します。
6-1. シーン①:1on1の準備
- 自分:INTJ(上司)
- 相手:ESFP(部下)
- 関係性:上司→部下
- シチュエーション:フィードバック面談
- 目的:育成
- 強度:普通
- 温度:普通
LABの出力イメージ(一言テンプレ):
「最近の現場の動き、すごく頼りにしてる。ひとつだけ、ここを変えたらもっと伸びると思う点を共有させて。」
INTJ的な「論理整理→改善点」の癖を、ESFP向けに ポジティブで温度のある語り口 に変換しています。これを毎回ChatGPTに頼んでいたら3分はかかる。LABなら30秒です。
6-2. シーン②:業務依頼
- 自分:INTJ
- 相手:ENTJ(同僚)
- 関係性:同僚
- シチュエーション:タスク依頼
- 目的:スピード重視
- 強度:はっきり
- 温度:良好
LABの出力イメージ:
「来週水曜までにXの方針出しをお願いしたい。ゴールはAとBの選択。判断材料は揃ってる。」
ENTJ的な「結論先行・裁量重視」を意識し、 目的・期限・選択肢を一文に圧縮 した依頼文に。同じ依頼を温度「悪化」で生成すると、もっと丁寧な前置きが入る出力に変わります。
6-3. シーン③:夫婦の会話修復
- 自分:INTJ
- 相手:ISFJ(パートナー)
- 関係性:家族
- シチュエーション:相談された
- 目的:関係修復
- 強度:やんわり
- 温度:悪化
LABの出力イメージ:
「気持ちの整理、最後まで聞かせてほしい。僕の意見は、聞き終えてからでいいかな。」
INTJの「すぐ解決策を出す癖」を抑え、ISFJ向けに 共感と傾聴を優先 する切り出し方に。 仕事と家庭で同じツールが使える のは、自分でも作ってみて気づいた発見でした。
ナギ
7. もう毎回タイプを覚えなくていい|CSV人物リスト機能
ここまで読んで「便利そうだけど、毎回『〇〇さんはINTJ』って思い出すのが結局面倒では?」と思った方。
正直、僕も同じことを感じていました。
そこで実装したのが、 CSV人物リスト機能 です。
7-1. 一度登録すれば、次からはクリックひとつ
使い方は驚くほどシンプルです。
- 自分/相手のタイプ選択セクションにある「💾 登録から選ぶ」ボタンをクリック
- モーダルから登録した人物を選ぶ
- タイプ・関係性・強度が自動でフォームにセットされる
- あとは シチュエーションと目的を選ぶだけ
✨ 一番のメリット:「あの人のタイプ何だったっけ?」と毎回思い出す必要がなくなります。
💡 ナギ的お気に入りポイント:「ナギ自身」を
self関係性で登録しておくと、「自分のタイプ」も毎回選び直さずに済みます。
7-2. CSVで一括登録できる
人物が多い場合は、ExcelやGoogleスプレッドシートで CSV を作って一括インポートできます。
| 名前 | MBTIタイプ | 関係性 | 強度 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 山田太郎 | INTJ | 上司 | 強 | 寡黙・論理派 |
| 鈴木花子 | ESFP | 部下 | 中 | 明るい・現場好き |
| ナギ自身 | ISTJ | 自分 | 強 | 自分の基準値 |
ヘッダーは すべて日本語 にしました。Excel で開いたときに直感的に分かるようにするためです。
7-3. 関係性カテゴリで色分け表示
登録した人物リストは、 関係性カテゴリで色分け されます。
- 🔵 仕事系(上司・部下・同僚)
- 🟢 家族系(夫婦・親・子)
- 🟣 プライベート系(恋人・友人)
- 🟠 自分(self)
視覚的に分類されているので、「仕事の人」「家族」を一目で見分けられます。
7-4. プライバシー設計
人物データは すべてブラウザのローカルストレージに保存 されます。
- ✅ サーバーには一切送信されません
- ✅ 登録した名前・メモは外部に漏れません
- ✅ 必要に応じてCSVエクスポートでバックアップ可能
⚠️ 注意:ブラウザのキャッシュを削除するとデータも消えるので、定期的にCSVエクスポートしてバックアップしておくと安心です。
ナギ
8. ガードレールの設計(炎上回避)
便利なツールほど、 誤用すると関係を壊すリスク がついてまわります。LABには明確なガードレールを設けました。
⚠️ LABを使う上で、必ず守ってほしい3つのルール
8-1. タイプは仮説、本人に必ず確認
LABの出力はすべて 「相手がそのタイプである」という仮説の上の提案 です。 本人が違うタイプかもしれない、自己認識と他者認識がズレているかもしれない。 必ず本人に「こう思ったんだけど合ってる?」と確認する プロセスをセットにしてください。
8-2. 評価には絶対に使わない
タイプ別の傾向を、 査定・人事配置・採用判断 に使うのは厳禁です。 LABは コミュニケーションの設計 にだけ使う、と線を引いてください。
8-3. 個人情報はサーバー送信しない(フロント完結設計)
LABはあえて ブラウザ完結(フロントエンドのみ) で設計しています。 入力したタイプや関係性は サーバーに送信されません。 個人情報や社内事情をツールに入力しても、外部に漏れない設計にしてあります。
⚠️ LAB活用、3つの絶対NG
- 決めつける:タイプは仮説。必ず本人に確認 (出力は提案であって診断ではない)
- 評価に使う:査定・配置の判断材料にしない (コミュニケーション設計のみ)
- 機密を外部送信:LABはフロント完結設計 (とはいえ自己防衛も忘れずに)
9. 今後のロードマップ
LABはまだ完成形ではありません。 少しずつ育てていく 前提で公開しています。
9-1. Phase 1(実装済):基本機能リリース
- 7軸入力
- 一言テンプレ3本生成
- AI深掘りプロンプト出力
- フロント完結設計
9-2. Phase 2(予定):誤用防止と観察支援
- NG言い換え検知:強度を上げ過ぎた表現を警告
- 観察ヒント拡充:「日常でこう振る舞う人はこのタイプ寄り」のチェックリスト
- レーダー意味づけ:4軸スコアの読み方ガイド
9-3. Phase 3(将来):学習と振り返り機能
- プレイブック保存:よく使う組み合わせをマイページに保存
- A/Bテスト学習:「この言い回しで反応が良かった」を記録
- チーム共有モード:管理職複数名で社内ノウハウを共有
ナギ
おわりに:全部覚える必要なし、ツールに任せていい
LABは「ChatGPTを使いこなせない人のため」ではありません。 「ChatGPTを毎回使うのが面倒な人のため」 に作りました。
正直なところ、僕自身、16タイプを完璧に覚えるのは一生無理だと感じています。こういうのを暗記するのが昔から苦手で、 「だったら覚えなくていいツールを作ろう」 と発想を切り替えました。
そのために組み込んだのが CSV人物リスト機能 です。一度登録すれば、相手のタイプも自分のタイプも、毎回思い出さなくていい。 「全部覚える必要なし」のメッセージを、機能としても実装した 形です。
💡 この記事のいちばん大事な一言
全部覚える必要ないですよ。 ツールに任せて、ラクして、人間関係を良くしましょう。
数十名のチームをマネジメントする現役管理職として、毎日のコミュニケーションを 少しでも軽く、少しでも温かく したい。同じ思いの方は、ぜひLABを使ってみてください。
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