人に聞く前に、AIに聞いていた。

(更新: ) 著者: ナギ
#AI活用 #使い分け #管理職 #マネジメント #40代 #生成AI
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夜のオフィスでノートPCの画面の光を静かに見つめる40代の管理職

部下から相談を受けて、返す答えを考える。上司から降ってきた仕事の、着地点を探す。制度について、確かなことを調べる。答えの決まっていない相談ごとを、頭の中で整理する。

管理職の一日は、誰かに何かを聞きたい場面の連続です。

その日、同僚に聞くより先に、僕は画面を開いていました。

順番が、いつのまにか入れ替わっていた

人に聞く前に、AIに聞く。僕の相談は、いつのまにかその順番になっていました。

使っているのは、Claude、ChatGPT、Copilotの3つです。毎日、いつでもそばにいる。その感覚が、もう当たり前になっています。

聞いていることは、だいたい三つに分かれます。

一つ目は、部下から相談を受けたあと。返事をする前に、考えの抜けがないかを整理します。二つ目は、公開されている法令や制度について、一次資料の当たりをつけるとき。見つけたら、原文を開いて確認します。三つ目は、答えの決まっていない悩みを、言葉にして整理するとき。これがいちばん多いかもしれません。

周りを見ると、隣の席に聞きに行くやり取りをよく見かけます。僕は、画面に聞いています。今日はまだ誰にも相談していないのに、画面の中ではもう三回相談している。そんな日が、普通になっていました。

一つだけ、先に書いておきます。会社の固有情報は入れません。相談するのは、僕の側の悩みと、公開されている情報の範囲までです。会社にAI利用のルールがあるなら、そちらが先です。調べものの最後は、原文と担当部署で確かめます。

人に聞くのを避けるようになったのか、と一度考えた

振り返ると、相談しなくなったというより、相談の入口が変わっていました。

以前、「本音を話せる人が、いない」という記事を書きました。あの記事では、話せる相手がいないと書きました。人のことだけを数えれば、今もその感覚は大きくは変わりません。

でも、相談そのものは、毎日のようにしていました。

減っていたのではなく、入口が人から画面に移っていた。今回、改めて振り返ってみて、初めて気づきました。

ある調査では、管理職の4割がAIにも相談していた

僕だけではありませんでした。ただし、順番まで同じかどうかは、この調査には出ていません。

パソナセーフティネットが2026年4月に行った「管理職の孤独に関する実態調査」(インターネット調査)は、全国の20代から60代の課長・部長クラス503名が対象です。

管理職としての悩みやストレスを生成AIツールに相談することが「よくある」は15.7%、「ときどきある」は25.0%。合わせて40.7%でした。

メンタルヘルス支援を事業とする会社の調査であることと、40代だけの数字ではないことは、書き添えておきます。この調査では、約4割が「生成AIに悩みやストレスを相談することがある」と答えていました。この数字は、僕の実感とも重なりました。

重さのある悩みは、画面の中だけで持たない。それだけは決めています。

忖度されないように、反論を注文した

僕がそのまま聞くと、欲しい反論が返ってこないことがあります。だから、反論も頼むようになりました。

実際に設定している文を、そのまま載せます。

私の戦略パートナーとして、現実的かつ論理的な助言をしてください。率直さは保ちつつ冷淡にならず、異なる意見がある場合はその理由と代替案を示し、常に全体像として次の行動がわかるようにしてください。

賛成してほしいだけの返事なら、いりません。事実と情報をもとに、違う見方があるなら見せてほしい。そういう注文です。

それでも、聞き方が寄る日があります。選択肢を並べるふりをして、推してほしい案だけを詳しく書いている。そういうときは、途中でだいたい気づきます。

ナギ
それ、賛成してほしいだけの聞き方になってるぞ、僕。

ナギ

だから僕は、反論まで明示して頼むようにしています。それでも、聞き方が寄れば、返ってくる答えもこちらの期待に寄ります。相談相手が画面になっても、正直に聞けるかどうかは、結局こちら側の問題でした。

それでも、人に持っていく相談が残った

AIに聞けるものが増えるほど、人に聞くものの輪郭がはっきりしました。

僕の相談には、順路ができていました。一次受けは、AI。調べものの入口、考えの整理、選択肢を絞るところまでは、画面の中で済みます。絞れたら、同僚や上司のところへ持っていく。気づけば、AIが僕の相談の一次受けになっていました。

全部をこの順番にしているわけではありません。最初から人へ持っていく話もあります。

では、何が人に残ったのか。

僕の場合、前例のない話ほど、AIで整理したあとにも何かが残りました。似た話は出てきても、「この職場ならどう見るか」は、経験した人に聞きたくなります。もう一つ。僕が自分では気づかなかった見方は、人との会話から出てくることがありました。

前に、AIと自分の分担の線を引いた話を書きました。あれは、僕とAIの間の話です。今回は、人に相談へ行くまでの順番の話になります。

🖥 僕の相談は、この順番になった

  • 一次受けは、AIになった
  • 反論は、頼まないと出てこなかった
  • 事例のない話と、自分では気づかなかった見方は、人に持っていった

まとめ|人に聞くことは、なくならなかった

人に持っていく相談は、以前より少なくなりました。その代わり、画面で整理しても残った話を持っていくようになりました。

ナギ
絞ってから行くと、相談は短くなって、深くなりました。

ナギ

入口はAIに変わりました。それでも、人に聞くことは、なくなりませんでした。

画面を閉じても残る話があります。そのときは、人のところへ持っていきます。

※この記事は、一人の管理職の使い方の記録です。特定のツールや相談の仕方を勧めるものではありません。

— Calmly. Surely. —


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