管理職になって、僕のキャリアを書く欄がなくなった。
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管理職になってから、自分のキャリアを書く欄がなくなりました。
書きたいことがなくなったわけではありません。書く欄が、なくなったのです。
若い頃の、あの欄の話から始めます。
ナギ
若い頃の僕は、あの欄に時間をかけていた
🧾 この章の話
昔の書類にあった、自由に書ける欄の話です。
会社に出す書類の中に、自分のキャリアについて自由に書ける欄が、昔はありました。
書きたいことがある年は、時間をかけました。書いては直して、出すまでに何度も読み返しました。
数行の欄に、それだけの時間を使っていました。特に二十代の終わりから三十代のはじめ、いわゆる中堅と呼ばれる頃には、あの欄にずいぶん書いた記憶があります。
読むのは、人事や上司でした
思っていることは、そのまま書きました。読むのは人事や上司です。
それが分かったうえで、伝わる書き方を選んで書いた年もあります。あの欄は、希望を書く場所であると同時に、読む人へ意思を伝える場所でもありました。
書きながら、自分が何を望んでいるのかが、少しずつはっきりしていく感覚もありました。書き上がった数行より、書いている時間のほうに、意味があったのかもしれません。
書いた希望で、異動したことがある
あの欄に書いた希望が、実際にキャリアを動かしたことが、一度あります。
当時の僕は、自分の部署だけでは解決の難しい課題を抱えていました。いま振り返ると、先にあったのは「何が解けていないのか」でした。
そのあとに、「それを解けそうなのはどこか」と考えて、行き先の名前が出てきました。あそこでなら、あの課題の続きができる。
行きたい部署を、具体的に書いた
あそこで仕事をすれば、自分の成長にもつながる。そう考えて、行きたい部署を具体的に書きました。
しばらくして、その異動が実現しました。
ナギ
書いたことだけが理由だったのかは、いまも分かりません。それまでの仕事や実績、当時の状況も重なっていたと思います。
これが誰にでも起きるとは、書けません。それに、書ける欄があっても、僕自身が何も書かなかった時期もあります。
配属は、自分だけでは決められません
配属は、最後まで自分だけでは決められません。その話は前に書きました。
ただ、あれは管理職になってからの話です。これは、その前の話になります。
管理職になって、その欄がなくなった
その欄は、いまの僕の書式にはありません。
管理職になって、出す書類が変わりました。会社に出す書類は、いまもあります。
書いて出すものも、あります。なくなったのは、その中の、自分のキャリアについて書く欄だけです。
ポイント:なくなったのは、書類ではありません
- 会社に出す書類は、いまもある
- なくなったのは、その中の、自分のキャリアについて書く欄だけ
理由は知りません。聞いたこともありません。
そしていまの僕は、部下が書いたキャリアの欄を、読む側です。昔は時間をかけて書いていたものを、いまは受け取って読んでいる。
自分の側に書く欄がないことには、読む側になってから気づきました。
あの欄は、書けば通る紙ではありませんでした
誤解のないように書いておきます。書けば、そのまま希望が通る紙ではありませんでした。
もちろん、書いた希望がそのまま動くとは限りませんでした。
希望を通すこととは、別の仕事
それでも、あの欄には、希望を通すこととは別の仕事がありました。書類を開くたびに、「自分はどうしたいのか」を考える時間が、向こうからやって来ました。
提出の期日があるから、考えました。数行しかないから、絞って考えました。
なくなったのは、書きたいことではありませんでした。書類の中で「自分はどうしたいのか」を書く機会のほうでした。
制度が一つ変わっただけ、と言えばそれまでです。ただ僕の場合は、あの欄と一緒に、自分のキャリアを定期的に考えるきっかけまで消えていました。
そのことに、しばらく気づいていませんでした。
今は、そのきっかけが書類から来ない
昔は、書類を開けば「自分はどうしたいか」を考える時間が来ました。今は、来ません。
だからといって、希望まで消えたとは思っていません。行きたい場所も、やってみたい仕事も、考えれば出てきます。
変わったのは、それを考える機会を、誰も用意してくれなくなったことです。
ナギ
以前は、会社の中で行きたい部署を書ける場所がありました。
実際、それでキャリアが動いたこともあります。いまは、会社の中だけでなく、外も含めて、自分の選択肢を確かめる場所は、自分で持つようになりました。
あの欄で覚えたことは、いまも使っている
あの欄で覚えた順番も、いまも使っています。自分が解けていないものは何か。
それを解けそうなのは、どこか。この二つを、ときどき自分で埋めています。
まとめ|あの欄がしてくれていたこと
欄がなくなって気づいたことを、一つだけ書いて終わります。
あの欄のいちばんの仕事は、希望を通すことではなかったのかもしれません。定期的に、「自分はどうしたいのか」を考えさせること。
あの数行は、そのためにあったのだと、なくなってから分かりました。
欄はなくなりました。自分のことを考える時間は、今は自分でつくっています。
※この記事は、一人の管理職の一次体験です。制度や書式の呼び方・時期・部署は、個人や会社が分からない形に整えています。
— Calmly. Surely. —
会社の外も含めて確かめるときに
先に書いておくと、僕はいまも同じ会社にいます。外を見ることは、辞める決心とは別のところに置いています。会社の外に何があるかを知ることも、自分がどうしたいかを確かめる場所の一つ、という意味です。
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